就業不能シミュレーション
病気やケガで働けなくなったとき、傷病手当金や障害年金といった公的保障と、いまの金融資産で家計がどれだけ持つかを月ごとに試算します。就業不能保険を検討するときに「毎月いくら足りないのか」「資産で何ヶ月耐えられるのか」を確かめる材料にしてください。特定の保険商品はおすすめしません。
はじめての方へ
病気やケガで働けなくなっても、会社員なら傷病手当金、長引けば障害年金が出ます
公的保障でどれくらいカバーされるかを知ると、就業不能保険がどれくらい必要かを考えやすくなります。
最初の1年半
傷病手当金
健康保険から、給料のおよそ3分の2が出ます
その後
障害年金
障害の程度に応じて、国の年金から出ます
足りない分
貯金を取り崩す
公的保障で足りない分は、いまの金融資産から出すことになります
例:35歳の会社員で、額面年収500万円・毎月の支出30万円・金融資産300万円の人が、3年働けなくなった場合
いまの毎月の支出(生活費+住居費)
300,000円
公的保障(毎月)
277,778円
傷病手当金の期間(1年6ヶ月)
毎月足りない額
22,222円
傷病手当金の期間の1ヶ月あたり
あなたの数字を入れるとわかること
- 1働けなくなったとき、公的保障でいくら出るか
- 2いまの家計で、毎月いくら足りなくなるか
- 3何ヶ月働けなくなると、どこまで持つか
- 4保険を足すと、毎月の不足と資産の持ちがどう変わるか
働けなくなるリスクと公的保障を知る
3つの問いに、公的統計と制度の原文で答えます。働き方を選ぶと、あなたに関係するものだけを表示します。
①の内容と②以降の試算を、この働き方で出します
Q1. 働けなくなるリスクは、どれくらいあるのか
ある月に傷病手当金を受け取っている会社員
1,000人に約7人
協会けんぽ 被保険者千人当たり件数 7.05件(令和6年10月)
いま障害厚生年金を受けている人
会社員 58人に1人
受給権者72万人 ÷ 民間企業の厚生年金被保険者4,211万人(令和5年度末)
原因でいちばん多い病気
精神疾患 39.2%
次いで新生物(がんなど)14.5%
多くはありませんが、起きたときの原因は精神疾患やがんのように長引く病気が中心です。
1,000人あたりで、いま公的保障を受けている人
- 傷病手当金: 分子は令和6年10月に受け取っていた179,680件、分母は協会けんぽの被保険者2,569万人(中小企業などで働く会社員本人。扶養家族や大企業の健保組合の加入者は含まない)
- 障害厚生年金: 分子は受給権者72万人(会社員時代の病気・けがで受けている人。退職した人も含む)、分母は民間企業の厚生年金被保険者4,211万人(令和5年度末)
何が原因で働けなくなっているか
- 令和6年10月に傷病手当金を受けていた179,680件の内訳(協会けんぽ 現金給付受給者状況調査)
根拠と出典を見る
制度の条件・補足・出典を開いて確認できます
Q2. 保障は、どれくらい続くのか
傷病手当金の上限
1年6ヶ月
支給開始から通算。復職した期間は数えない
実際の平均支給期間
約5.7ヶ月
171.75日。精神及び行動の障害は215日、新生物(がんなど)は201日
受給中の人で1年を超えている人
17.4%
令和6年10月に受け取っていた人のうち
多くは半年以内に復職しますが、長引くと1年6ヶ月で傷病手当金が終わり、その後は障害厚生年金に切り替わります(一度認められると再認定で94.8%が継続)。
保障が切り替わる流れ
- 傷病手当金は支給開始から通算1年6ヶ月が上限です(会社員のみ)
- 障害年金は障害認定日以降に請求し、障害の状態が続く間受け取れます。1〜5年ごとに再認定があり、令和6年度は障害厚生年金の94.8%が継続でした
- 図は3年目までを表示しています
傷病手当金を受け取り続けている期間
- 令和6年10月に受け取っていた179,680件について、支給開始からその時点まで受け取り続けている期間の割合(協会けんぽ 現金給付受給者状況調査 表7)
- 受給は復職などで終わるため、長く受け取り続けている人ほど少なくなります(上限は1年6ヶ月)
根拠と出典を見る
制度の条件・補足・出典を開いて確認できます
補足: 業務上・通勤のケガや病気は労災保険が先です。休業(補償)給付60%+休業特別支給金20%が4日目から出ます
出典
Q3. 保障を受け取れない可能性は、どれくらいあるのか
障害厚生年金を請求して非該当
7.6%
3級に該当
52.8%
就業不能保険の多くは3級を給付条件に含めない
2級以上に該当
38.9%
傷病手当金は業務外の病気やケガで連続3日休み、給与が出なければ受け取れます。障害年金は請求しても6割が「2級以上」には該当しません。
障害年金を請求した人の等級別の割合
- 令和6年度に新規に決定された障害厚生年金57,663件の内訳(日本年金機構 障害年金業務統計)。非該当は請求したが等級に当たらなかった件数
根拠と出典を見る
制度の条件・補足・出典を開いて確認できます
受け取るための3つの条件
- 1初診日要件初診日に厚生年金に加入していれば、障害基礎年金に加えて障害厚生年金も対象になる
- 2保険料納付要件初診日の前々月までの加入期間の2/3以上納付(または直近1年に未納がない。令和18年3月末までの特例)
- 3障害認定日初診日から1年6ヶ月(それより前に症状が固定すればその日)
神経症は、症状が長く続いていても原則として障害年金の認定対象になりません(障害認定基準)。働けなくても公的な年金がない状態がありえます
出典
等級に該当する状態の例
日本年金機構の障害認定基準・障害等級表に書かれている例です。各例の「出典」から原文を確認できます。実際の等級は診断書をもとに個別に判定されます。
「非該当」と「3級」の範囲が、公的保障だけでは埋まらない部分です。就業不能保険を考えるときはここを見ます。
等級ごとの例を見る
がん・うつ病・人工透析・ペースメーカーなど、どの状態が何級かの例と出典
出典
- 協会けんぽ「現金給付受給者状況調査報告 令和6年度」 — 2026-09-12確認
- 日本年金機構「障害年金業務統計(令和6年度決定分)」 — 2026-09-12確認
- 厚生労働省「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」 — 2026-09-12確認
- 協会けんぽ「傷病手当金」 — 2026-09-12確認
- 日本年金機構「障害基礎年金」 — 2026-09-12確認
- 日本年金機構「障害厚生年金」 — 2026-09-12確認
- 日本年金機構「障害認定日」 — 2026-09-12確認
- 厚生労働省(福井労働局)「休業(補償)等給付」 — 2026-09-12確認
- 日本年金機構「国民年金保険料の法定免除制度」 — 2026-09-12確認
- 日本年金機構「障害認定基準」 — 2026-09-12確認
- 日本年金機構「障害等級表」 — 2026-09-12確認
- 協会けんぽ「協会けんぽ月報(総括表) 令和6年10月」 — 2026-09-12確認
いまの家計を入力
現在の年齢・働き方・収入・生活費・金融資産を入力します。
あなたと世帯のこと
収入・支出・資産
給与明細の差引支給額×12+賞与の手取り
いざというときに使える預貯金・投資の合計
就業不能になっても変わらずに入る収入。なければ0
働けない期間と障害年金の想定
「何ヶ月働けなくなったら」を仮定し、想定する障害年金の等級を選びます。
障害年金を受け取れるか・何級かは障害の状態で決まり、事前にはわかりません。切り替えて差を見てください。1年6ヶ月(傷病手当金の終わり=障害認定日)以降の収入に反映します
結果を確認
就業不能保険の給付を足し、何ヶ月目まで毎月いくら足りる/足りないかと資産の持ちを確認します。
就業不能保険の給付
民間の就業不能保険で「就業不能の何ヶ月目から、何ヶ月目まで、毎月いくら」受け取るかを追加します。一定期間だけ半額、その後は満額、のような商品は期間を分けて複数行で入れてください。期間が重なる行があるときは、その月の給付額を合算します。
この条件での結論
2年10ヶ月目に金融資産がなくなります
傷病手当金の時期(1年6ヶ月)は毎月22,222円の不足。障害年金の時期(1年6ヶ月)は毎月172,298円の不足。資産でも埋まらない額は501,360円です。
- 期間全体の不足額
- 3,501,360円
- 資産がなくなる時期
- 2年10ヶ月目
- 資産でも埋まらない額
- 501,360円
毎月の収入と支出の推移
収入の線が支出の線を下回っているあいだが、毎月の不足です。縦の破線は制度の切り替わりや資産がなくなる月です。
時期ごとの毎月の収支
公的保障の切り替わりごとに、毎月いくら入ってきて、いくら出ていくかを並べています。
比較の基準
就業不能の前
- 世帯の収入(月)
- 333,333円
- 支出(月)
- 300,000円
- 公的保障(月)
- —
- 就業不能保険(月)
- —
働けているあいだは、毎月の収入で支出を賄える前提です。
傷病手当金
1ヶ月目〜1年6ヶ月目(1年6ヶ月)
- 世帯の収入(月)
- 277,778円
- 支出(月)
- 300,000円
- 公的保障(月)
- 277,778円
- 就業不能保険(月)
- 0円
この時期は毎月22,222円足りません。金融資産から取り崩します。
毎月の不足 22,222円
障害年金
1年7ヶ月目〜2年12ヶ月目(1年6ヶ月)
- 世帯の収入(月)
- 127,702円
- 支出(月)
- 300,000円
- 公的保障(月)
- 127,702円
- 就業不能保険(月)
- 0円
この時期は毎月172,298円足りません。金融資産から取り崩します。
毎月の不足 172,298円
金融資産の推移
毎月の不足を金融資産から補ったあと、残高がどう減っていくかを見ます。働き続けた場合と比べています。
働き続けた場合との比較
同じ期間を働き続けた場合と比べた、期間全体の合計です。時期ごとの毎月の話は上のカードとグラフを見てください。
| この条件 | 働き続けた場合 | 差額 | |
|---|---|---|---|
| 期間中の収入合計 | 7,298,640円 | 11,999,988円 | -4,701,348円 |
| 期間中の支出合計 | 10,800,000円 | 10,800,000円 | ±0円 |
| 期間終了時の金融資産 | -501,360円 | 4,199,988円 | -4,701,348円 |
公的保障の金額の計算方法
この結果で使っている傷病手当金と障害年金の金額を、入力した年収から求めた式です。
計算方法を見る
傷病手当金の式、等級ごとの障害年金の金額、報酬比例部分の求め方
傷病手当金
標準報酬月額 × 2/3 = 月あたりの傷病手当金
- 1標準報酬月額の目安(上限139万円)額面年収 ÷ 12 = 416,667円
- 2傷病手当金(月額)416,667円 × 2/3 = 277,778円
- 3支給期間支給開始から通算18ヶ月(1年6ヶ月)まで
障害年金の等級ごとの金額
| 等級 | 年額 | 月額 |
|---|---|---|
| 3級(障害厚生年金のみ) | 685,125円 | 57,094円 |
| 2級 | 1,532,425円 | 127,702円 |
| 1級 | 1,915,531円 | 159,628円 |
- 1報酬比例部分平均標準報酬額(額面年収÷12、上限65万円)× 5.481/1000 × 加入月数(300 月) = 685,125円
- 22級報酬比例 + 障害基礎年金(847,300円) + 配偶者加給(243,800円) + 子の加算
- 31級報酬比例 × 1.25 + 障害基礎年金1級(1,059,125円) + 同じ加算
- 43級報酬比例のみ(最低保障 635,500円)
働けなくなったときに限らず、収入が止まったときのためにすぐ使えるお金をいくら置いておくかの目安は生活防衛資金シミュレーションで確かめられます。
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入力した条件を埋め込んだURLを作れます。家族と相談したいときや、別の端末で同じ条件を開きたいときに使えます。
条件はURLの#以降に入るためサーバーへは送信されませんが、URLを知っている人は誰でも内容を見られます。公開の場には貼らないでください。
計算の前提・注記
- リスクの数字は協会けんぽの加入者と障害年金の請求者の集計で、働く人全体の発生率ではありません
- 「いま就業不能になった」前提で、収入は「傷病手当金(会社員のみ、最初の1年6ヶ月)→障害年金(19ヶ月目から)」に置き換わり、生活費・住居費は変わらないものとしています
- 標準報酬月額・平均標準報酬額は額面年収の12分の1で見積もっています。賞与の割合が大きい方は傷病手当金が実際より多めに出ます
- 傷病手当金の待期3日間、有給休暇、休職中も続く社会保険料の本人負担、税金の変化は考慮していません
- 障害年金は令和8年度(2026年4月分から)の額です。子の加算は期間中変わらないものとし、配偶者加給は配偶者が65歳未満で年収850万円未満の前提です
- 勤務先の休職制度の期間は会社の規定で、傷病手当金の1年6ヶ月より短いことがあります
- 傷病手当金は退職後も、加入1年以上で退職日に受給中なら続きます
- 障害基礎年金(2級以上)を受けている間は国民年金保険料が法定免除になります
- 就業不能保険は、入力した開始月〜終了月に指定した月額が受け取れるものとしています。免責期間・給付制限・税金・保険料の支払いは商品ごとに異なるため含めていません
- 金融資産の運用益は見込まず、住宅ローンの団信の就業不能特約や高額療養費、勤務先の独自制度も含めていません
- 就業不能の期間は65歳(老齢年金の開始)までを対象にしています
- この結果は一般的な制度と一定の条件にもとづく試算で、実際に受け取れる給付額や受給できるかどうかを示すものではありません。受給の条件や金額は、加入している健康保険や日本年金機構の最新の情報をご確認ください。個別の事情をすべて反映した専門的な助言ではないため、必要に応じて社会保険労務士などの専門家にご相談ください
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